【データでグランパス】第1~4節を振り返る。ボール奪取位置とゴール期待値に注目!

データ分析

2024シーズンのJ1リーグは4節まで終えましたが、今週末は代表ウィークでお休み。

グランパスは第1~3節は新たな布陣3-1-4-2がうまく機能せずいずれも無得点で敗戦。

一方、前節柏戦は戦い慣れた布陣3-4-2-1に回帰して2-0で今シーズン初勝利。

柏戦ではちぐはぐ感なく前向きに戦えていたことが見ている中でも分かりましたが、データ的な側面で見てみると何が見えてくるでしょうか。

柏戦を中心に第1~4節を振り返ります。

※本記事のデータは、Football LAB内及びDAZN中継内のデータを使用しております。

第4節柏戦のチャンスビルディングポイント

2-0で勝利した柏戦のチャンスビルディングポイント(CBP)を見てみると攻撃面ではクロスを除いて軒並み柏に上回られていますが、守備面では特に奪取でグランパスが圧倒。

これだけ見ても効率的に勝利をものにしたことが分かりますが、裏側はどのようだったのかを主にボール奪取位置とゴール期待値に注目して見ていきます。

ちなみに、チャンスビルディングポイント(CBP)とゴール期待値については以下。

CBPとは、「選手(またはチーム)が試合を通じてどれだけチャンス機会を構築することができたか」を独自のロジックにより数値化した指標です。選手(またはチーム)に対する評価方法が様々ある中で、「シュート機会への貢献」という観点での評価に軸足を置いています。

https://www.football-lab.jp/pages/cb_point

Football LABより引用

ゴール期待値とは、「あるシュートチャンスが得点に結びつく確率」を0~1の範囲で表した指標であり、欧州を中心にサッカー界で活用され始めています。ゴール期待値はシュートの成功確率を表すので、値が高いほど得点が決まる可能性が高いシュートになります。

https://www.football-lab.jp/pages/expected_goal

Football LABより引用

ボール奪取位置

まず、図は第1~4節の試合終了時の両チームのボール奪取回数と位置のデータです。

第1~3節のグランパスのボール奪取位置はとても低く、自陣ゴール近くになってしまっている一方、柏戦は相手よりもボール奪取位置が高くより前線でボールを奪えていることが分かります。

これをグラフ化してみると以下のような形。

ボール奪取位置において、第1~3節の平均は30.9mであり対戦相手よりも10m前後低い位置でしかボールを奪えていなかったことになりますが、一方の柏戦では37.2mと第1~3節の平均よりも6.3mも前めでボールを奪えていたことがデータでも表れています。

さらにボール奪取位置割合で見ても、第1~3節ではDT(ディフェンシブサード)でのボール奪取割合が50%以上であったところが、柏戦ではAT(アタッキングサード)とMT(ミドルサード)での合計ボール奪取割合が50%以上となっていることからも相手ゴールにより近い位置でボールを奪えていたことが分かりますね。

つまり、柏戦ではボール奪取位置がより前め(相手ゴール側)であることにより、相手の守備陣形が整う前に攻撃し、よりチャンスに繋がりやすい状況を作れていた、と言えます。

一方で、内容的に一番苦戦した印象の町田戦はDTでのボール奪取割合が75%と4回に3回が自陣ゴール近くでしかボールを奪えなかったことになり、町田に押し込まれていたことが良く分かるデータです。。

シュート本数とゴール期待値

これが結構興味深いデータでした。

第1~3節と第4節柏戦を比較すると良く分かりますが、シュート本数は第1~4節すべてグランパス対戦相手ともにほぼ同様でグランパス7本前後、対戦相手15本前後となっています。

これだけ見ると第4節柏戦もグランパスは攻め込まれて厳しい戦いを強いられていた印象にもなりそうですが、ゴール期待値を見てみるとどうでしょう。

第1~3節のゴール期待値は相手が1.0以上である一方、グランパスは0.40前後(平均0.39)とこの側面からもかなり厳しいことが分かりますが、第4節柏戦では柏の1.22に対して、グランパスは1.48と上回っています。

ここからグランパスはより得点に結びつく可能性の高い位置でシュート出来ており、勝利に値する内容だったと言っても良いでしょう。

現にシュート位置の比較で見ても、柏はシュート15本のうちエリア内からは4本(うちゴールエリア内は1本)である一方で、グランパスはシュート本数自体は8本ではありましたがエリア内からは6本(うちゴールエリア内は2本)とゴールの決まる可能性の高い位置から多くのシュートが打てていたことが分かります。

最後に・・・

ボール奪取位置とシュート本数・ゴール期待値から、柏戦が勝利に値する内容であったことが見て取れました。

(実際にはどちらに転んでもおかしくない内容ではありましたが、そこを耐えたことで勝利に値するデータになったという側面もあると思ってます)

一方で、Football LAB内のデータを見ているなかで、データに現れづらいところもあって面白いなぁと感じた話を最後に。

この試合、山岸選手は得点こそ奪うことはできませんでしたが、攻守に渡って欠かせない存在であったことは言うまでもありません。(新潟戦も)

苦しい時間帯でのアバウトなボールのポストプレー、何度も競り勝つヘディング、おしゃれなノールックパス(多分これはポイントに加算されている)、気の利いたディフェンスなどなど挙げればキリがないですが、かなりの貢献度。

しかし、データで見ると一部(奪取)はチーム4番手でしたが、多くの部分で上記したような貢献度はデータには現れておらず興味深い点でした。

柏戦の詳細データが気になる方は以下。

https://www.football-lab.jp/nago/report?year=2024&month=03&date=16

データで多くのことが分かるようになってきた一方で、まだまだデータに現れづらい部分もいろいろとあってやはりサッカーというスポーツは面白いなぁと思いました。

データを見ていくときにはそういった点も理解したうえで考察していければと思います。

ゆくゆくは心理面などもデータに反映されていったりするのですかね。

それでは、また。

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