【解説】オフサイドディレイとは?事例もあわせて。

ルール・ジャッジ

サッカー観戦、中継をしていてこのように感じることはありませんか?

「オフサイドなのに副審が旗を上げるの遅い!」

「線審が遅れて旗を上げたけれど、VARで得点が認められた。どういうこと??」

「解説でオフサイドディレイが適用されたと言っていたけど、何それ?」

VAR導入と同時に適用されているオフサイドディレイ

その内容について解説していきます。

オフサイドディレイとは??

オフサイドディレイとは、オフサイドをディレイする(遅らせる)、つまりオフサイドと判断しても判定を遅らせること、です。

ん?どういうこと?と思いますよね。

従来のオフサイド判定の流れは以下のようでした。

オフサイドとなる事象が発生

⇒副審がオフサイドと判断した瞬間に旗を上げる(オフサイドの合図)

⇒主審が笛を吹く(オフサイドの判定)

 ※ポイントは「オフサイドと判断した瞬間に」という点。

それが、オフサイドディレイでは判定の流れが次のように変わります。

オフサイドとなる事象が発生

副審がオフサイドと判断しても一旦旗を上げない

 (このときにオフサイドをディレイしていることを無線で主審には伝える)

攻撃が終わるタイミング(ゴールが決まる、得点の可能性がなくなる、など)で、副審は旗を上げる

⇒主審が笛を吹く(オフサイドの判定)

つまり、オフサイドの場面でもすぐにはプレーを止めずにある程度プレーを続けさせるのがオフサイドディレイです。

ただし、オフサイドディレイを使えるのはVARの導入されている試合のみであり、その中でもオフサイドの判断が難しい場合(明確にオフサイドの場合は除く)に限られます。

なぜオフサイドディレイをするのか?

一言で言うと、誤ったオフサイドの判定で得点機会を潰してしまわないため。

オフサイドの判定が絡む場面はオフサイドか否かシビアなケースも多いため、オフサイドと判定されたけれど後々映像を確認したらオフサイドではなかった、というケースがこれまではよくみられました。(結果、幻のゴールとなることも)

攻撃側の選手は相手DFラインの選手とmm単位で駆け引きをしているので、審判が人の目で判断するのに限界がありました。

そこで、サッカーの一番の醍醐味である得点機会が判定により誤って潰されてしまうことがないように、VARが導入されている試合限定でオフサイドディレイが適用されています。

事例で確認

①オフサイドディレイ適用により、VARでゴールが認められたケース(動画9:07~)

従来であれば副審のオフサイド判定がそのまま適用され得点が生まれていなかったシーンであり、オフサイドディレイ導入の目的が実ったシーン。

このシーンの流れは以下。

川崎F小林がDFラインぎりぎりで抜け出す

⇒その際、副審はオフサイドと判断しているが、オフサイドディレイを適用してプレーを継続させる(同時に副審はインカムで主審にオフサイドディレイを適用していることを伝達)

⇒川崎F小林がゴールを決める

⇒副審は旗を上げてオフサイドの合図をする(オフサイドディレイ)

⇒VARチェックによりオフサイドがなかったことが判明

川崎F小林の得点が認められる(オフサイドディレイがなければオフサイドとなっていた)

②オフサイドディレイ適用により、ゴールが取り消されたケース(動画0:42~)

①とは逆のケース。

従来であればオフサイドと判断された直後にプレーが切れていたが、オフサイドディレイの適用によりゴールが決まった後にオフサイド判定でゴールが取り消されたシーン。

こちらのケースは得点を決めた側にはモヤっと感が残るシーンですね。

特にこのシーンは、ゴールに直結しないプレーなのでオフサイドディレイは適用せずとも良かったのでは、という意見がありました。

まとめ

最後にオフサイドディレイをフロー図にまとめました。

ご参考ください。

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