【まとめ】名古屋グランパス　2023年度(2024年1月期)決算

2024年5月21日、Ｊリーグは2023年度クラブ経営情報開示（先行発表）に関するメディア説明会が開催されました。（3月決算の柏、湘南を除く58クラブが対象）

全クラブの概要については2023年度クラブ経営情報開示資料（先行発表）にて説明されているため割愛させていただき（以下リンク参照）、ここではグランパスの決算内容について見ていきます。

なお、Ｊ１、Ｊ２、Ｊ３各クラブの決算まとめについては別記事にありますのでご参考ください。

2023年度は増収増益

2023年度含めた過去5年間の損益計算書は以下。

・営業収入は前年度比3.4%増の63.0億円

・営業利益は前年度比6.8%増の1.9億円

・純利益は前年度比72.7%減の2.0億円。

昨年度は特別利益(6.4億円)（ジョーの補償金230万ドルと推測）が大きい。

営業収入／営業費用、および当期純利益の5年間の推移をグラフ化すると以下。

・営業収入、営業費用ともにコロナ後の2020年度には50億円台に落ち込んだが、回復傾向が見て取れる。（近年は頭打ち？）

・当期純利益は2021年度まで赤字が続いていたが、2022年度に黒字転換。2022年度の特別利益を除くと、黒字額はおよそ2億円程度。

営業収入について、内訳と前年度比較の形でより詳細を見てみる。

・2023年度の営業収入は、スポンサー収入（27.4億円）、その他収入（11.2億円）、入場料収入（12.4億円）、物販収入（6.3億円）、Ｊリーグ分配金（3.5億円）、アカデミー関連収入（2.2億円）の順に多い。

・営業収入のうちおよそ4~6割をスポンサー収入が占めるが、2023年度はスポンサー収入の減少と入場料収入、その他収入の増加により、スポンサー収入の割合は前年度比減少している。

・前年度比増減額で見ると、減少額が大きいのはスポンサー収入で10.0億円、増加額が大きいのは入場料収入の5.5億円、その他収入の6.4億円、となっている。

ちなみに、その他収入とは、①賞金、②移籍金収入、③サプライヤー契約収入、④ファンクラブ・後援会収入、⑤イベント出演料、⑥その他、の6項目のこととＪリーグ経営ガイドに記載されている。

営業費用についても同様に詳細を見てみる。

・2023年度の営業費用は、チーム人件費（28.4億円）、その他売上原価（9.2億円）、販売費及び一般管理費（7.9億円）、試合関連経費（4.3億円）、物販関連費（3.9億円）、アカデミー運営経費（3.8億円）、トップチーム運営経費（3.7億円）の順に多い。

・営業費用のうちおよそ5割をチーム人件費が占める。

・いずれの項目においても前年度比1.0億円以下の増減に抑えられている。

2023年度含めた過去5年間の貸借対照表は以下。

・総資産、総負債ともに2022年度比増加。

・純資産は2021年度▲2.96億円と債務超過に陥ったが、2022年度4.27億円、昨年度(2023年度)6.25億円に回復。